
こんにちは、ブルくまです。ダーツのセッティングを色々見ていると、「フライトが回るタイプ」ってすごく気になりますよね。
お店やネットで見かける「ダーツ フライト スピン」とか「ダーツ シャフト スピン タイプ」って呼ばれているアイテムですけど、そもそも「フライトを回転させるメリットは?」って純粋に疑問に思います。
良いことばかりじゃなくて、もちろん「ダーツシャフト スピン デメリット」はないのか、とか。それに、「ダーツ スピンシャフトはプロも使う」ものなのか、それともアマチュア向けのアイテムなのか。可動部があるということは、プレイ中に「フライトが外れる」心配はないの?とか、考え出すと色々知りたくなっちゃいます。
この記事では、そんな「回るフライト」の正体であるスピンシャフトについて、基本的な仕組みから、今主流の「ダーツフライト 種類」や「一体型フライト」との関係性まで、私なりにじっくり掘り下げてまとめてみました。皆さんのセッティング選びの参考になれば嬉しいです。
記事のポイント
- 回るフライト(スピン)の本当の仕組み
- スピンシャフトのメリットとデメリット
- 固定(ロック)タイプや一体型との違い
- 主要メーカーの特徴とおすすめモデル
ダーツ フライトの回るタイプの仕組み

では早速、「ダーツ フライト 回る タイプ」の核心に迫っていきましょう。なぜフライトが回る必要があるのか、その基本的な仕組みと、導入する上でのメリット・デメリットを詳しく解説していきますね。
回るタイプ=スピンシャフトとは?

「ダーツ フライト 回る タイプ」と聞くと、フライト自体に何か特殊な仕掛けがあるのかな?と思いがちですが、実はこれ、フライトそのものではなく、「シャフト」の機能によって実現されています。
この回転する機能を持ったシャフトのことを、通称「スピンシャフト」と呼びます。このシャフトにフライトを装着すると、フライト部分がクルクルと手で回せるようになります。
逆に、私たちがダーツを買ったときに最初から付いているような、フライトをガッチリと回らないように固定するタイプ。これを「ロックシャフト(固定式)」と呼びます。ダーツショップで「スピン」や「サイレント」といった特別な表記がないシャフトは、基本的にはすべてこのロックタイプですね。
つまり、「回るタイプ」というのは、シャフトの選択肢の一つ、というわけです。
フライトを回転させるメリットは?

では、フライトをわざわざ回転させるメリットは一体何でしょうか?
これはもう結論から言うと、「ダーツが弾かれるのを防ぐため」に尽きます。ダーツ用語で「バウンスアウト」の軽減、なんて言ったりしますね。
ダーツが上達してきて、狙ったところ(例えばブルや20トリプル)にダーツが集まるようになってくると、避けて通れない問題があります。それが、「先に刺さったダーツへの衝突」です。
ロックタイプのシャフトだと、後から投げたダーツが先に刺さったダーツのフライトに直撃すると、「カシャン!」と音を立てて弾かれてしまい、ボードに刺さらないことがあります。これがすごくストレスなんですよね…。
そこでスピンシャフトの出番です。同じように衝突しても、フライトがクルッと回転して衝撃を受け流し、後続のダーツがボードに刺さるためのスペースを作ってくれるんです。
スピンシャフトがもたらす主なメリット
- グルーピング精度の向上:
弾かれによる失点を減らすことで、結果的によりタイトなグルーピングが可能になります。「あと1本入ればハットトリックだったのに!」という悔しい思いを減らしてくれるかもしれません。 - フライトの長寿命化(副次的効果):
ダーツ同士の衝突は、フライトが裂けたり欠けたりする一番の原因です。スピン機構が衝撃を逃がすことで、フライトへの直接的なダメージが減り、結果としてフライトが長持ちする可能性があります。
特に狭いトリプルを狙う場面などでは、この「弾かれ防止」機能がスコアに直結することもある、というのが最大のメリットですね。
スピンのデメリットと知っておくべき注意点

もちろん、そんなスピンシャフトにもデメリットや、導入前に知っておくべき注意点があります。ここを理解しておくのがすごく大事です。
1. フィーリング(感覚)の問題
これが、スピンシャフトを選ぶ上で最大の分岐点になるかもしれません。
ロックタイプの「ガッチリした一体感」に慣れているプレイヤーがスピンタイプを使うと、フライトが動く「遊び」の部分に強い違和感を覚えることがあります。
「投げた瞬間にフライトがズレる感じがする」「可動部があるせいで心理的に不安定になる」といった感覚ですね。ダーツはメンタルなスポーツでもあるので、この「なんとなくしっくりこない」感じが、スロー全体に悪影響を与えてしまう可能性もゼロではありません。
2. 耐久性とコスト
スピンシャフトは、ロックタイプに比べて内部に回転機構を持つため、構造が複雑です。そのため、どうしても故障のリスクは高まります。
例えば、強い衝撃で回転部分が破損したり、小さなホコリやゴミが詰まって回転が鈍くなったりすることがあります。もちろん、最近の製品は耐久性もかなり向上していますが、可動部がある以上、メンテナンスフリーとはいかない側面がありますね。
また、一般的にロックタイプよりも少し価格が高めに設定されていることが多いです。
これらのパーツの費用や耐久性については、あくまで一般的な傾向であり、製品や使用状況によって大きく異なります。正確な情報は各メーカーの公式サイトや、購入を検討している販売店で直接ご確認ください。
3. 「本当に効果ある?」という懐疑論
プレイヤーの中には、「スピンに変えてから明らかに弾かれが減った!」という意見がある一方で、「正直、気のせいレベルじゃない?」という懐疑的な意見も根強くあります。
これは、最近の成型フライト(L-FlightやFit Flightなど)自体が、弾かれを軽減するような流線型のデザインになっていることも関係しているかもしれません。フライト自体の性能が上がったことで、「わざわざ回らなくても、結構かわしてくれるよね」という見方ですね。
初心者のうちはロックタイプがおすすめ
スピンシャフトは、ある程度グルーピングできるようになって「弾かれ」に悩み始めた中級者以上向けのアイテム、というのが一般的な見方です。
ダーツを始めたばかりの初心者さんは、まずロックタイプで投げる感覚をしっかり固める方が上達が早い、と私は思います。スピンの「遊び」が、スローのどこが悪かったのかを分かりにくくしてしまう可能性もあるからです。
まずは自分のスローの再現性を高めることが最優先。安定したフォームを身につけることに集中するのがおすすめです。フォームの基本については、「ダーツの脱力とコツ|力みを抜いて安定させる方法」でも詳しく解説していますので、よかったら参考にしてみてください。
スピンタイプと固定タイプの違いを比較

ここで、改めて「スピンタイプ」と「ロック(固定)タイプ」の違いを、分かりやすく表にまとめてみますね。どちらを選ぶかは、自分が何を優先するか、というトレードオフになります。
| 特徴 | スピン(回転) タイプ | ロック(固定) タイプ |
|---|---|---|
| 基本機能 | フライトが回転する | フライトを完全に固定する |
| 主な目的 | 衝突時の「弾かれ」を軽減 | 飛行の安定性と一体感の確保 |
| メリット | グルーピング精度UPが期待できる | 安定感があり感覚がダイレクトに伝わる |
| デメリット | 構造が複雑、フィーリングに「遊び」がある | 衝突時に弾かれやすい |
| 推奨プレイヤー | 弾かれに悩む中級者以上 | フォームを固めたい初心者・安定感重視の全プレイヤー |
(※あくまで一般的な傾向です)
見ての通り、どちらかが絶対的に優れているというわけではありません。「スローの安定感・一体感」を最優先するならロック、「衝突という不確定要素」への対策を優先するならスピン、という選択になるかなと思います。
一体型フライトとスピンはどっちを選ぶ?

最近は、シャフトとフライトがもともとくっついている「一体型フライト」も非常に人気ですよね。代表的なのだと「CONDOR(コンドル)」や「Fit Flight AIR(※一部)」などがあります。
これら一体型フライトの最大のメリットは、「プレイ中にフライトが絶対に外れない」というストレスフリーな点です。これはスピンシャフトの「弾かれ防止」とは、また目的がちょっと違いますね。
ただ、面白いことに、一体型フライト(特にCONDORのような柔らかい素材のもの)も、フライト自体がしなやかに曲がる(しなる)ことで、衝突したダーツを「かわす」効果があると言われています。
選択の基準は「どのストレスを一番減らしたいか?」
- 一体型フライトがおすすめな人:
とにかく「フライトが外れるストレス」をゼロにしたい人。セッティングのシンプルさを追求したい人。 - スピンシャフトがおすすめな人:
フライトが外れることより「弾かれるストレス」を減らしたい人。シャフトの長さやフライトの形状を細かく変えて、セッティングの自由度を保ちたい人。
CUESOUL(キューソール)のROST T19 V7のように、一体型システムの中でスピン機能を持たせようとしている意欲的な製品もありますが、基本的には「スピンシャフト+フライト」か「一体型フライト」かの二択で考えるのが分かりやすいと思います。
ダーツ フライトの回るタイプの選び方

さて、スピンシャフトの仕組みや特徴がわかって、「よし、自分も試してみよう!」と思ったら、次に悩むのが「じゃあ、どれを選べばいいの?」ということですよね。ここでは、選び方の具体的なポイントや、主要なメーカーの特徴を見ていきましょう。
ダーツ スピンシャフトのおすすめ人気モデル

現在、スピンシャフトの世界は、ほぼ「L-style(エルスタイル)」と「COSMO DARTS(コスモダーツ)」の2大メーカーが主流と言っていいかなと思います。
この2社は単にシャフトを作っているだけでなく、「専用フライト」と組み合わせることを前提とした「エコシステム(製品群)」を構築しています。そのため、どちらかのシャフトを選ぶことは、その先のフライトの選択肢をも決定づけることになります。
L-style (エルスタイル) の「L-Shaft Silent」
エルスタイルのスピンタイプは「Silent(サイレント)」という名前で展開されています。その名の通り、スムーズで静かな回転が特徴です。
仕組みとしては、シャフト本体に回転機構が内蔵されているタイプ。フライトの根元(フライトプロテクターの役割も果たす)はロックタイプと同様にしっかり保護されつつ、その先端部が回転します。
COSMO DARTS (コスモダーツ) の「Fit Shaft Spin」
こちらは「プッシュイン方式」という独自のシステムを採用しています。専用のフライト「Fit Flight」を、シャフト先端の軸に「カチッ」と押し込むだけで装着が完了します。
フライト側がシャフトの軸に沿って回転するイメージですね。何より、フライトの着脱がワンタッチで非常に簡単なことが最大の人気ポイントです。(出典:COSMO DARTS公式サイト『About Fit Flight』)
どちらも非常に完成度の高い製品なので、最終的にはデザインの好みや、周りのダーツ仲間がどっちを使っているか、なんかで選ぶのも全然アリだと思いますよ。
人気メーカー別スピンシャフトの特徴

先ほど紹介した2大メーカーですが、選ぶ上で最も重要な違いがフライトの互換性(使えるフライト)です。ここを間違えると「買ったのに使えない!」なんてことになるので、絶対注意してください。
| メーカー / 製品名 | 回転の仕組み | 対応フライト(互換性) |
|---|---|---|
| L-style / L-Shaft Silent | シャフト本体に回転機構あり | ・L-Flight (専用フライト) ・折りたたみフライト (※別パーツ併用) |
| COSMO DARTS / Fit Shaft Spin | フライト側が回転 (プッシュイン) | ・Fit Flight (専用フライト) のみ |
最重要! Fit Flightは完全専用システム!
スピンシャフト選びで一番の注意点は、COSMO DARTSの「Fit Shaft」を選んだら、フライトも必ず同社の「Fit Flight」しか使えないということです。L-styleのフライトや、従来の折りたたみフライトは一切装着できません。
一方、L-styleの「L-Shaft」は、基本は専用の「L-Flight」を使うのがベストですが、「Shell Lock(シェルロック)」や「シャンパンリング」といった別売りのパーツと、フライトに穴を開けるパンチを併用することで、昔ながらの「折りたたみフライト」も使えるようになっています。
この「どっちのシステム(エコシステム)に乗るか」は、今後のダーツのランニングコストにも関わる大きな選択になるので、じっくり考えてみてくださいね。
これらの互換性に関する情報は一般的なものであり、新製品の登場などで変更される可能性もあります。購入前には必ず、ご自身の環境で使用可能か公式サイトや販売店でご確認ください。
ダーツ スピンシャフトはプロも使う?

これはやっぱり気になるところですよね。結論から言うと、PDC(世界最高峰のプロ団体)などで活躍するトッププロの多くは、スピンシャフトを「使っていない」のが現状のようです。
あれだけ0.1ミリ単位でダーツを集める人たちなのに、なぜ弾かれ防止機能を使わないのでしょう?
理由としてよく言われるのが、トッププロは「弾かれる」ことを避けるのではなく、逆に意図的にダーツを「当てて」グルーピングさせる超高等技術(スタッキング)を使っているから、という説です。
プロがロックシャフトを好む(かもしれない)理由
プロは、先に刺さったダーツのフライトやシャフトを「土台」や「ガイド」として利用し、2本目、3本目をそこに滑り込ませるようにして、狭いトリプルエリアにねじ込むことがあります。
その時、もし土台であるフライトが回転してしまうと、狙いが定まらず、むしろ邪魔な「ノイズ」になってしまう…という考え方です。彼らにとっては、ガッチリと固定されたロックシャフトの「予測可能性」と「剛性」こそが、最高のパフォーマンスを発揮するために必要な道具、ということなのかもしれません。
ただ、これはあくまでトッププロの異次元な技術の話。私たちアマチュアプレイヤーが「意図せず衝突してしまう」ミスによる弾かれをカバーしてくれる「お助け機能」として、スピンシャフトはすごく有効なツールだと私は思いますよ。
スピンシャフトはフライトが外れやすい?

「回るってことは、その分フライトも外れやすいんじゃないの?」という心配も、よく聞きますね。
これに関しては、「(ちゃんとしたメーカーの専用品なら)そんなことはない」というのが私の印象です。
特に、先ほどから紹介しているL-styleやFit Flightのような専用システムは、フライトがプレイ中に簡単に外れないように、ものすごく工夫されて設計されています。従来の「折りたたみフライト+ナイロンシャフト」の組み合わせなんかより、よっぽどガッチリとホールドされていて外れにくいです。
ただし、どうしても「フライトとシャフトが別パーツ」である以上、ボードからダーツを引き抜くときに変な角度で力がかかったりすると、外れてしまう可能性はゼロではありません。
もし、「プレイ中にフライトが外れるストレスを、何があっても絶対にゼロにしたい!」ということを最優先に考えるなら、スピンシャフトではなく、先ほどお話しした「一体型フライト(CONDORなど)」が最強の選択肢になりますね。
スピンシャフトに合うフライトの種類

この質問は、ここまでの説明でほぼ答えが出ているかもしれませんね。
「どのメーカーのスピンシャフトを選ぶか」によって、使えるフライトの種類が自動的に決まってしまう、というのが答えになります。
シャフトとフライトの組み合わせ(おさらい)
- Fit Shaft Spin (COSMO DARTS) を選んだ場合
→ 使えるのは「Fit Flight」だけです。ただし、Fit Flightの中には「シェイプ」「ティアドロップ」「スタンダード」など、様々な形状やデザインが豊富に揃っています。 - L-Shaft Silent (L-style) を選んだ場合
→ 基本は「L-Flight」を使います。こちらも形状は豊富です。
→ 別売りパーツを使えば「折りたたみフライト」も使えます。コストを抑えたい場合や、特定のデザインの折りたたみフライトを使いたい場合に便利ですね。
Harrows(ハローズ)など、従来の折りたたみフライトをそのまま使える汎用タイプのスピンシャフトも存在しますが、現在スピンシャフトを試すなら、フライトの性能(常に90度を保つなど)も含めてトータルで設計されている、L-styleかFit Flightのどちらかのシステムから入るのが、一番分かりやすくて性能も体感しやすいかなと思います。
ダーツ フライトの回るタイプの総括

ここまで、「ダーツ フライト 回る タイプ」の正体であるスピンシャフトについて、仕組みから選び方まで、かなり詳しく見てきました。
最後の総括として、スピンシャフトは「ダーツが自動的に上達する魔法の道具」ではなく、「特定の課題を解決するための専門ツール」だと私は考えています。
これを導入すれば勝手にグルーピングするようになるわけではありません。トッププロがあまり使っていないという事実が示す通り、ダーツにとって必須のアイテムではないことも確かです。
ですが、中級レベル以上のプレイヤーが直面する「弾かれによる失点」という、非常に具体的でストレスフルな課題に対して、「衝突時の衝撃を緩和する」という明確な解決策を提示してくれる唯一のツールでもあります。
ブルくま的・スピンシャフト導入の目安
- 初心者さん(フォーム固め中)
→ まずは慌てずにロックタイプ(固定式)で、自分のスローを安定させることに専念しましょう。 - 中級者さん(グルーピングし始めた)
→ 狙ったところに入るようになってきて、「弾かれ」が本気でストレスになってきたら、スピンタイプを試す絶好のタイミングです!
スピンシャフトの選択とは、ロックタイプの持つ「絶対的な安定感・一体感」をある程度手放す(トレードオフする)代わりに、「衝突時の柔軟性・弾かれにくさ」というメリットを手に入れる行為です。
もし今、あなたがグルーピング時の弾かれに本気で悩んでいるなら、一度試してみる価値は十分にあると思いますよ。その結果、弾かれが減るというメリットが、フィーリングの違和感というデメリットを上回ると感じたなら、それがあなたにとっての「答え」となるはずです。
ぜひ、ご自身にピッタリのセッティングを見つけて、ダーツを楽しんでくださいね。