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初心者のためのダーツ練習方法【完全ガイド】

ダーツボードとダーツのイラストに「初心者のためのダーツ練習方法 完全ガイド」というタイトルが入ったアイキャッチ画像

※本ページはプロモーションが含まれています

こんにちは!「初心者のためのダーツ練習方法」運営者のブルくまです。

ダーツを始めたばかりの頃って、「初心者向けのダーツ練習方法って何から?」とか、「ダーツの初心者セットは買ったけど、自宅での練習方法がわからない…」って悩みますよね。私も40代でダーツに出会ったので、その気持ち、本当によくわかります。

ダーツの初心者が練習する場所はどこがいいのか、一人練習は恥ずかしんくあいか、そもそもダーツの暗黙のルールって何があるの?とか、不安だらけでした。

練習してもなかなか上達しない悩みもあって、ダーツ初心者はどこを狙えばいいのか、どんな練習メニューをこなせば点数が上がるのか、投げ方から何から、たくさんWEB検索したものです。

この記事は、そんなダーツ初心者の頃の私が知りたかった「練習のすべて」を詰め込んだ、サイトの集大成となる総合ガイド(ピラー記事)です。ダーツの基本から応用まで、私の経験を交えてしっかり解説していきますね。

記事のポイント

  1. ダーツ上達に不可欠な基本技術(フォーム・投げ方)
  2. 初心者におすすめの練習場所と、知っておきたいマナー
  3. 最短で上達するための練習メニューと用具(マイダーツ)の知識
  4. 初心者が陥りがちなスランプの原因と具体的な解決策

ダーツ練習方法の基本を押さえる

まずは何事も「基本」が大事ですね。ダーツは、毎回同じように投げる「再現性」がすべてと言ってもいいスポーツです。この基本の型をしっかり作ることが、遠回りに見えて一番の上達への近道かなと思います。

ここでは、フォームの土台となる「技術」、練習する「場所」や「時間」、そして多くの人がぶつかる「スランプ」について解説しますね。

基本的な技術の習得

ダーツの安定したフォームを構成する3要素「スタンス」「グリップ」「スローイング」の関係図

ダーツの技術は、「スタンス」「グリップ」「スローイング」の3つの大きな要素で成り立っています。これらがバラバラにならず、一連の動作として連動して、初めて安定した「フォーム」になります。一つずつ見ていきましょう。

スタンス(立ち方)

スローラインに対する体の向きのことで、フォーム全体の土台になります。安定性と再現性(毎回同じ投げ方をすること)に直結する最も重要な部分です。主なスタンスは3種類ありますね。

  • スタンダードスタンス(クォータースタンス):
    ボードに対し体を約45度(正面と真横の中間)に向け、利き足のつま先をスローラインに合わせる、最も一般的でバランス型のフォームです。窮屈さと不安定さのちょうど中間ですが、基準が曖昧なため「今日は40度かも」「昨日は50度だったかも」と、日によって角度が変わりやすく「迷いやすい」のがデメリットかもしれません。
  • オープンスタンス:
    体をボードに正対(正面)させる立ち方です。腕を前に出しやすく、力をターゲットに伝えやすいのがメリット。ただ、体が自由に動きすぎるので「横ブレ(左右のブレ)」が発生しやすく、再現性を保つのが難しい、安定性に欠けるスタンスかなと思います。
  • クローズスタンス:
    体をボードに対し真横(90度)に向け、利き足の側面をスローラインに合わせます。体の側面を壁のように使うため、「横ブレ」を物理的にロック(固定)できるのが最大のメリットです。ただし、姿勢が窮屈になりやすく、体が硬い人には少し負担が大きいかもしれません。

ブルくまのメモ
私は体が硬いほうなので、最初はクローズスタンスが窮屈でした。でも、横ブレに悩んでいたので、スタンダードとクローズの中間くらいから始めて、徐々に「ブレない立ち位置」を探っていきました。初心者のうちは、まず「クローズスタンス」で横ブレを抑える感覚を掴むのがおすすめかなと思います。

グリップ(握り方)

バレル(ダーツの金属部分)の持ち方です。大事なのは、ダーツの「重心」を意識すること。そして、力が入りすぎないよう「持つ」より「乗せる」感覚が重要です。

  • 2フィンガー: 親指と人差し指の2本で挟みます。最もシンプルで指離れ(リリース)が良いですが、ダーツの固定が不安定になりやすいのが難点です。
  • 3フィンガー: 親指、人差し指、中指の3本で持つ、最も一般的な(スタンダードな)握り方です。親指と人差し指で挟み、中指を先端(チップ側)または下側に添えて安定させます。
  • 4フィンガー: 親指、人差し指、中指、薬指の4本で持ちます。ダーツの固定力(安定感)が最も高い反面、リリース時に指が多く触れるため、どこかの指が引っかかり(軌道がブレる)リスクも増えるかなと思います。

(グリップがどうしてもしっくりこない、安定しない…という方は、ダーツのグリップが安定しない原因と解決法を徹底解説の記事で、より深く原因を掘り下げていますので、そちらもご覧ください)

注意点:絶対に握りすぎないこと
ダーツを「投げる」と意識すると、どうしてもグリップに力が入ります。そうではなく、指の間から「滑らせる」とか「送り出す」感覚を持つことが大切ですね。「生卵を握る」とか「豆腐を持つ」とよく表現されますが、まさにその通りです。

スローイング(投げ方)

ダーツを投げる一連の動作です。この流れを毎回同じにすることが「再現性」 に繋がります。

  1. セットアップ: ダーツを構える動作です。ターゲット(狙う点)、ダーツ、利き目を一直線上に合わせます。
  2. テイクバック: セットアップの位置から、ダーツを体側(例:目、アゴ、肩)まで引く動作。
  3. リリース: テイクバックの頂点から腕を伸ばす過程で、ダーツが手から離れる瞬間です。
  4. フォロースルー: ダーツが手から離れた後の腕の動作。腕をターゲットに向かって真っ直ぐ伸ばしきることが非常に重要です。

このスローイングで初心者が最も意識すべきなのは、「肘を固定する」ことです。これは、肘をガチガチに固めるという意味ではなく、肘を「支点」にするということです。

テイクバックからフォロースルーまで、肘の位置が上下左右に暴れない(ズレない)ように意識することで、腕が振り子のように安定して振れるようになります。これが「再現性」 の第一歩ですね。

(一連の投げ方や、肘の高さについてもっと深く知りたい方は、ダーツの投げ方が決まらない時の原因と改善方法を解説の記事や、ダーツの肘の高さは90度?安定フォームのコツと直し方の記事も、きっと役に立つかなと思います)

練習場所と最適な環境の選び方

ダーツバー、ショップ、ネットカフェ、自宅など、練習場所ごとのメリットとおすすめシーンを比較したチャート

「ダーツってどこで練習すればいいの?」というのは、初心者にとって大きな疑問ですよね。私も最初はダーツバーの常連さんばかりの空間に入るのが怖かったです。それぞれの場所にメリット・デメリットがあるので、自分に合った場所を見つけるのが一番ですね。

練習場所 メリット デメリット 料金相場(目安) 一人での入りやすさ 一人練習のしやすさ
ダーツバー 対戦相手が見つかる、雰囲気 割高、混雑時NG、マナー重視 1プレイ100円+チャージ/飲食代 ★☆☆☆☆ (店舗による) ★★☆☆☆ (混雑時)
ダーツショップ 無料で試投可能、専門知識 長時間の練習は不可 無料(試投) ★★★★☆ ★★★☆☆ (短時間)
ネットカフェ 投げ放題、安い、個室感覚 台数が少ない、マシンメンテ差 3時間パック 1,000円〜 ★★★★★ ★★★★★
アミューズメント施設 投げ放題、他施設も利用可 騒がしい、客層が若い 3時間パック 1,500円〜 ★★★☆☆ ★★★☆☆
自宅 24時間可能、費用ゼロ(初期除) 初期投資、騒音/振動、場所 ボード代 5,000円〜 (該当なし) ★★★★★

料金に関する注意
上記の料金相場は、あくまで一般的な目安です。地域や店舗、時間帯によって大きく変動しますので、ご利用の際は必ず各店舗の公式サイトなどで正確な料金をご確認ください。

ダーツバー

お酒や食事と一緒にダーツを楽しめる、大人の交流の場ですね。他のお客さんと対戦したり、情報交換できるのが最大のメリットです。

ただ、1ゲーム100円〜200円の従量課金が主流なので、フォーム固めなどの集中練習には割高になりがち。週末の夜など混雑時は投げにくいですし、初心者が一人で入るには少し勇気がいるかもしれません。平日の早い時間帯など、空いている時が狙い目ですね。

ダーツショップ

マイダーツを買うときに、無料で「試投(試し投げ)」ができる場所です。専門スタッフさんに相談しながら、色々なバレルを投げ比べできるのが魅力です。ただし、あくまで「購入検討」の場なので、長時間の練習はマナー違反。買う気がないのに投げ続けるのはNGです。

ネットカフェ

私が初心者の一人練習に最適だと思うのが、快活クラブなどのネットカフェです。時間制の「投げ放題プラン」が基本なので、料金を気にせず黙々と練習に集中できます。

個室(ブース)感覚で、他人の目を気にせずフォームの確認ができるのも大きなメリットですね。ただ、店舗によってダーツ台の数が少なかったり、マシンのメンテナンスが行き届いていない場合もあるかなと思います。

アミューズメント施設

ラウンドワンのような、いわゆる「ゲーセン」ですね。ここも投げ放題プランが主流です。ダーツ以外のアクティビティも楽しめますが、若い層やグループ客が多くて騒がしい環境のことが多い。ストイックに集中して練習したい人には不向きかもしれません。友達とワイワイ楽しむのには最高ですね。

自宅練習

最強の練習環境は、やはり「自宅」です。24時間、費用も(初期投資を除けば)かかりません。他人の目を一切気にせず、動画を撮ったり鏡を見たり、フォーム固めに集中できます。

デメリットは、初期投資(ボードやマット)がかかることと、設置スペースの確保、そして「騒音・振動」の問題ですね。

これだけは知っておきたい「ダーツのマナーと暗黙のルール」

プレイ中の人の前を横切る行為への禁止マークと、ダーツの基本的なマナー(順番を守る、掛け声のタイミングなど)のリスト

ダーツバーやネットカフェで恥をかかないために、最低限のマナーは知っておきたいですよね。「ダーツの暗黙のルールは?」と不安に思うかもしれませんが、本質は「他人の集中を妨げない」 という一点に尽きます。

これだけは守りたい!ダーツの基本マナー

  • 1スロー3投: ダーツは3本投げたら1スローです。3本投げ終わったら、ダーツを抜き、次のプレイヤーに交代します。
  • 投げる順番: 相手が投げている時は、スローラインの後方で静かに待ちます。相手が投げ終わり、戻ってくるまでスローラインに立たないのがマナーです。
  • 掛け声のタイミング: 声をかけるのは「相手が3本投げ終わった後」です。構えている時や投げている最中は厳禁。「ナイスワン!」「ドンマイ!」など、相手をリスペクトする言葉を選びたいですね。
  • 服装: 厳格なドレスコードはありませんが、ダーツバーなどではサンダルやタンクトップのような極端にラフな服装は避けるのが無難かもしれません。

最重要:重大なマナー違反「台の横切り」
プレイヤーが構えている(または投げている)マシンの前や、プレイヤーとマシンの間を横切る行為は、最もやってはいけないマナー違反です。相手の集中を完全に削いでしまうので、絶対にやめましょう。

また、ダーツを抜くときにボードをバシバシ叩いたり、大声で騒ぐ、マシンを蹴るなど、他のプレイヤーの集中を削ぐ行為も当然NGです。

ソフトダーツ特有のマナーとしては、マシン操作があります。自分の番が終わったら、速やかに「CHANGE(チェンジ)」ボタンを押して相手に交代します。

この時、3本投げ終わって、すべて引き抜いてからボタンを押すのがスマートですね(1本ずつ抜いてボタンを押すと、誤作動することがあるためです)。

自宅での効果的な方法

自宅用ダーツボードの設置寸法図解。床からブル中心まで173cm、スローラインまで244cmの距離を示す図

自宅練習(家練)は上達の切り札ですが、一つだけ絶対条件があります。それは、「ダーツボードを正しい距離と高さに設置する」ことです。これが間違っていると、間違った距離感が体に染み付いてしまい、外で投げた時に全く入らなくなります。

ダーツボードの公式な設置寸法(厳守!)

  • 高さ: 床からブル(ボードの中心)までの垂直な高さ = 173cm(ハードもソフトも共通)
  • 距離(ソフトダーツ): ボードの表面からスローラインの先端までの「水平」距離 = 244cm
  • 距離(ハードダーツ): ボードの表面からスローラインの先端までの「水平」距離 = 237cm

補足:対角線の距離
設置の際、水平距離(244cmや237cm)を測るのが難しい場合は、ブルの中心からスローラインの先端までの「対角線」距離で測る方法もあります。

  • ソフトダーツ: 299cm
  • ハードダーツ: 293cm

これら公式な寸法は、ダーツのルールを統括する団体の一つであるJapan Sports Federation of Darts (JSFD)などでも定められている、世界共通の基準です。

そしてもう一つの課題が「騒音・振動」対策 です。特に集合住宅では、ダーツがボードに「ドン!」と刺さる音や振動が、想像以上に壁や床に響きます。

私が実践していた対策はこんな感じです。

  • ボード裏: ボードの裏側(壁との接地面)に、厚手のゴムマットや専用の防振材、テニスボールを半分に切ったものなどを挟んで、衝撃を吸収させます。
  • 壁: ボードを直接壁に取り付けず、「自立式のダーツスタンド(ポールスタンド)」を使用するだけでも、壁に伝わる振動はかなり軽減されます。
  • 床: ダーツ落下時の「カシャン!」という衝撃音と、床の保護のために、スローライン付近に厚手の「ダーツマット」やヨガマットを敷くのは必須ですね。

こうした対策をしっかり行えば、自宅は最高の練習環境になりますね。

練習時間と効率的なスケジュール設定

週末3時間の練習よりも毎日30分の目的ある練習の方が効果が高いことを示す天秤のイラスト

「ダーツの練習時間はどれくらいやればいい?」これもよくある疑問です。

結論から言うと、フォームが固まっていない初心者のうちは、「週末に3時間」まとめてやるより、「毎日30分」でもいいから頻度を高くするほうが、圧倒的に効率的だと私は思います。

ダーツは「再現性」のスポーツなので、正しいフォームを体に定着させることが最優先です。週末の長時間練習は、後半になると疲労でフォームが崩れ、その崩れたフォームを「悪いクセ」として体に上塗りしてしまうリスクがあるんですね。

ただ、毎日30分といっても「ダラダラ練習」では意味がありません。必ず「目的意識」を持つことが重要です。

  • 時間で区切る: 「30分間、ブル(中心)だけを狙い続ける」。
  • タスクで区切る: 「ブルに合計20本入るまで終わらない」 とか、「ラウンド・ザ・クロックを3回クリアするまで終わらない」 とか。
  • テーマを決める: 「今日はテイクバックを浅くすることを意識する」、「今日はグリップを3フィンガーから4フィンガーに変えて試す」 など、その日の課題を明確にします。

このように、その日の「課題」を明確にすることで、短時間でも密度の濃い練習ができます。

ダーツのコツと上達への近道

ダーツ上達の鍵となる「再現性」を高めるための要素(安定したフォーム、同じ道具、ルーティン)を示した図

ダーツ初心者が意識すべきコツは、技術的なことよりも「意識」の面が大きいかなと思います。

1. 力を抜く(脱力)

初心者は「狙おう」「当てよう」として、全身が力んでしまいます。でもダーツは力で飛ばすものではありません。

  • グリップ: ダーツが滑り落ちない最低限の力(例: 卵を握る、豆腐を持つと表現されます)で持ちます。
  • スローイング: 腕を「振る」のではなく、構えた位置からターゲットに向かって「腕を伸ばしていく」意識を持つと、余計な力が抜けてきます。
  • 呼吸: 投げる瞬間に息を止めず、自然な呼吸を意識するか、構える前に息を吐き切るとリラックスしやすいですね。

2. 狙い方(エイミング)の基本

ターゲット(狙う点)、ダーツの先端(またはバレル)、利き目を一直線上に結びます。「狙う」意識が強すぎると力みにつながるので、私は「狙った場所に腕を伸ばす(フォロースルーする)」意識を優先していました。

3. 「再現性」を高める

上達への近道は、これに尽きます。毎回、寸分違わず「同じ動作」を繰り返すこと。
なぜなら、ダーツは「狙った場所」と「刺さった場所」のズレを修正するゲームだからです。フォーム(動作)が毎回違っていては、ズレの原因が「フォームのせい」なのか「狙いのせい」なのか分析できず、上達が止まってしまいます。

再現性を高める3つの要素

  1. 安定したフォーム(スタンス・グリップ・スローイング)
  2. 毎回同じルーティン(構えるまでの動作)
  3. 毎回同じ道具(マイダーツ)

この3つが揃って、初めて「再現性」が生まれ、ズレの修正(=上達)が可能になります。

なぜ上達しない?初心者が陥る「スランプ」と解決策

ダーツのスランプを脱出するための4つのドアのイラスト。フォーム撮影、道具の見直し、練習の単純化、休養の提案

「練習してるのに、ダーツが上達しない…」「ダーツ上達しない奴の典型かも…」と落ち込むこと、ありますよね。いわゆるスランプです。でも、初心者の「上達しない」には、明確な原因があることがほとんどです。

(スランプについて、より具体的な12のヒントをまとめた【ダーツが上手くなるきっかけ】伸び悩む原因とブレイクスルーの12のヒントの記事もありますので、深く悩んでいる方はそちらもチェックしてみてください)

初心者が上達しない主な原因

  • フォームが固まっていない: 毎回違う投げ方をしている状態です。たまたま出た高得点を「実力」と誤認し、それが出なくなることを「スランプ」と呼んでいるケースが多いですね。これはスランプではなく、まだ土台ができていないだけです。
  • 道具が合っていない(または毎回違う): これ、最大の原因かもしれません。お店の「ハウスダーツ」を使い続けていませんか?ハウスダーツは重さや形状、フライトの消耗度が毎回バラバラです。これではフォームが定まらない最大の原因になります。
  • メンタル面(力み): 「ブルに入れよう」「相手に勝とう」という意識が強すぎて力み、練習通りのスローができていない状態です。
  • 練習方法の間違い: 基礎練習(ブル狙い)をせず、いきなり対戦ゲーム(クリケットなど)ばかりしている。

もし「上達しない」と感じたら、試してほしいアクションプランがあります。

  1. フォームの可視化: 自分のスローイングをスマホで撮影しましょう(横から、後ろから)。肘が固定されているか、体がブレていないか、客観的にチェックするだけで多くの気づきがあります。
  2. 道具(セッティング)を変えてみる: ハウスダーツを使っているなら、今すぐマイダーツ(初心者セットでOK)を買いましょう。マイダーツを持っているなら、フライトやシャフトを変えてみる。飛びが劇的に変わり、感覚がリセットされることがあります。
  3. 練習の単純化: 狙う場所を「ブル(中心)のみ」に限定します。ひたすらブルに投げ込み、フォームの「再現性」を取り戻すことに集中します。
  4. あえて数日休む: 悪いフォームのまま投げ続けると、悪いクセが体に染み付いてしまいます。数日間ダーツから離れ、フォームのイメージトレーニングに切り替えるのも有効な手段です。

(スランプと一口に言っても、「ブルに入らない」「右にズレる」など、悩みは具体的かもしれません。そんな時は、ダーツが刺さらない?原因と対策、改善のコツを徹底解説 ・ ダーツが右にずれる原因と修正ポイント15選の記事が、個別の解決策として役立つと思います)

上達を早めるダーツ用具(マテリアル)の知識

先ほどの「スランプ」の話とも直結しますが、「ダーツ 初心者セット」などで検索している方は大正解です。上達を目指すなら、「マイダーツ」は必須アイテムです。

なぜなら、ハウスダーツは「毎回違う道具」であり、「再現性のある練習」が不可能だからです。ハウスダーツには、主に3つのデメリットがあります。

  1. 感覚が変わる: 店舗やマシンによってダーツの重さ、形状、フライトの消耗度が異なり、毎回違う感覚で投げることになる。
  2. カスタマイズ不可: ネジ穴の規格が古いものもあり、シャフトやフライトの交換ができない。
  3. 投げにくい: 一般的に軽く(ブラス素材)、初心者が安定して飛ばすには技術が必要。

ここでは、初心者が最初に選ぶべき用具(マテリアル)の知識を解説しますね。

バレル(持つ部分)

初心者に最適なタングステン製のトルピード型バレルの画像と、重さや握りやすさのメリット解説

ダーツの心臓部であり、価格の大部分を占める金属パーツです。選ぶポイントは「素材」と「形状」です。

素材:ブラス(真鍮) vs タングステン

  • ブラス(真鍮): 安価(1,000円〜3,000円)で、ハウスダーツの多くがこれです。比重が軽いため、バレルが「太く」なりがち。安価ですが、太くて軽いため安定しにくいかなと思います。
  • タングステン: 高価(5,000円〜15,000円)なレアメタルです。比重が重いため、同じ重量でもブラスより圧倒的に「細く」作れます。これが最大のメリット。
    • 安定性: ブラスより重さ(17g〜20g程度)があり、ダーツの飛びが安定しやすい。
    • グルーピング: 細いため、ボードに先に刺さったダーツに弾かれにくい。
    • 種類の豊富さ: 市場のバレルの主流であり、選択肢が非常に多い。

形状:トルピード(魚雷型) vs ストレート(直線型)

  • トルピード(魚雷型): バレルの重心(一番太い部分)が前〜中央にある形状です。私が初心者に絶対的におすすめするのが、このトルピードです。理由は、一番太い部分(重心)を持てばいいと分かりやすいため、毎回同じ場所を握る「再現性」 に貢献するからです。重心がはっきりしているので、「押し出す」感覚 も掴みやすいですね。
  • ストレート(直線型): バレル全体が均一な太さです。重心位置を感覚で探す必要があり、グリップ位置がズレやすいため、上級者向けかなと思います。
素材 形状 メリット デメリット 初心者推奨度
ブラス トルピード 安価 太い、軽い、安定しにくい ★★☆☆☆
タングステン トルピード 安定する、細い、握る位置が明確 やや高価 ★★★★★ (最適)
タングステン ストレート 細い、グルーピング有利 握る位置が分かりにくい (上級者向) ★☆☆☆☆

シャフト・フライト(羽の部分)

ダーツフライトの形状による軌道の違い。安定重視のスタンダードと直線的なスリムの比較図

バレルとフライトを繋ぐ棒が「シャフト」、羽が「フライト」 です。ここの組み合わせ(セッティング)でダーツの飛び方が劇的に変わります。

シャフト

素材はナイロン製(安価) とカーボン製(高価) などがあります。重要なのは「長さ」(ショート、ミディ、ミディアムなど)です。

  • 短いシャフト: ダーツの軌道が「直線的」になり、矢速が速くなる傾向があります。
  • 長いシャフト: ダーツの軌道が「山なり(弧を描く)」になり、安定性が高まる傾向があります。

一般的に「長いバレルには短いシャフト」「短いバレルには長いシャフト」を合わせると、ダーツ全体のバランスが取りやすいとされています。

フライト

空気抵抗を生み、ダーツの軌道(飛び)を安定させる「尾翼」の役割を果たします。 種類は紙(折りたたみ式) や、成型タイプの一体型(Fit Flight, L-styleなど) があります。重要なのは「形状(翼面積)」です。

  • スタンダード(形状): 翼面積が最大。強い「浮力」 を生み、山なりの軌道(放物線)を描きやすく、初心者の(力の弱い)スローでも軌道を安定させやすいです。
  • スリム(形状): 翼面積が小さい。空気抵抗が少なく、鋭く「直線的」 に飛びます。
  • ティアドロップ / ブレット: スタンダードとスリムの中間の形状や、さらに小さい形状もありますが、まずはスタンダードから試すのが良いと思います。

初心者の無難なセッティング

  • バレル:「タングステン・トルピード」
  • シャフト:「ナイロン素材のミディ(長め)」(理由: 安定性が高いため)
  • フライト:「スタンダード形状」(理由: 浮力が強く、軌道を安定させやすいため)

まずはこの「安定性重視」のセッティングから始めて、徐々に自分好みに変えていくのが王道ですね。

チップ(先端部分)

消耗して折れたダーツチップの画像。「予備は必須」というメッセージと交換の重要性

ソフトダーツで、ボードに刺さる先端のプラスチック部分です。これは最も頻繁に折れたり曲がったりする「消耗品」です。練習に行く際は、必ず予備を(ケースに大量に)持っていきましょう。

折れた(曲がった)チップで投げ続けると、ボードの穴(セグメント)を傷める原因となるので、こまめに交換しましょう。

もしボード(セグメント)内にチップの根本が残ってしまったら、手で取ることは困難です。専用の「チップリムーバー(エクストラクター)」という道具で取り除きます。ダーツショップに数百円で置いてありますね。

基礎用語

ダーツボードの各エリア名称(ブル、トリプル、ダブル)と、ハットトリックなどの用語解説図

これだけは知っておきたい、ゲームで使う必須用語です。パーツ名称と合わせて覚えておくと、仲間との会話もスムーズになりますよ。

パーツ名称

  • バレル: ダーツの金属部分。持つ場所。
  • シャフト: バレルとフライトを繋ぐ棒。
  • フライト: 羽。
  • チップ: 先端。

ゲーム必須用語(ソフトダーツ)

  • ブル(BULL): ボードのど真ん中。
  • インナーブル(ダブルブル): ブルの中心の狭い円。50点。
  • アウターブル(シングルブル): ブルの外側の広い円。ゲーム設定により50点または25点。
  • セパレートブル: インナーブルが50点、アウターブルが25点と区別される設定。現在の主流ですね。
  • トリプル(TRIPLE): 内側(ブルの少し外)の細いリング。数字の3倍の得点(例: 20のトリプル = 60点)。
  • ダブル(DOUBLE): ボードの一番外側にある細いリング。数字の2倍の得点(例: 20のダブル = 40点)。
  • ハットトリック(HAT TRICK): 1スロー(3投)で3本全てがブル(インナー/アウター問わず)に入ること。
  • トンエイティ(TON 80): 1スロー(3投)で3本全てが20のトリプルに入ること(=180点)。

ダーツの練習方法:応用編

基本技術と用具が揃ったら、いよいよ実践的な練習(応用編)です。ただ投げるだけでなく、ゲーム形式で「戦略的に狙う」意識を持つことで、練習の質は格段に上がります。

初心者が狙うべき場所には段階があります。まずは(1)ボードの中心に「集める」練習、次に(2)ボード全体に「散らす」練習、最後に(3)特定のエリアに「狙い分ける」練習です。ここでは、具体的な練習メニューや、基本をさらに深掘りした技術、そしてプロの考え方まで触れていきますね。

おすすめの練習メニューとゲームモード(初心者はどこを狙うべき?)

初心者の練習ステップを示す階段図。Step1カウントアップ、Step2ラウンド・ザ・クロック、Step3クリケットの順序

「ダーツ初心者はどこを狙えばいいですか?」という疑問、よくわかります。答えは「練習の段階による」ですね。初心者がやるべき練習ゲーム(モード)は、主にこの3つです。

1. カウントアップ(COUNT-UP)

  • ルール: 8ラウンド(1ラウンド3投、合計24投)で、高得点を競うシンプルなゲームです。
  • 練習目的: 「ブルを狙う練習」です。初心者はまずブル(50点)を狙い続け、フォームの再現性を高めることを最優先にします。これが(1)「集める」練習ですね。
  • 点数の目安: 「ダーツ 初心者の点数」は気になるところですよね。一般的に初心者の平均は300点〜400点と言われます。まずは「400点」(=平均50点。8ラウンドでブルに8本入る計算)が最初の壁であり、目標になるかなと思います。500点を超えると中級者(Aフライト級)と言われますね。

(カウントアップの平均点や、点数別の練習法については、ダーツカウントアップの平均スコアを高める練習法とは?の記事で詳しく解説しています)

2. ラウンド・ザ・クロック(ROUND THE CLOCK)

  • ルール: 1から20まで、順番にナンバーを入れていくゲームです。
  • 練習目的: 「ボード全体に慣れる」練習です。カウントアップでは狙わない上下左右のナンバー(例: 3, 11, 8, 12など)を狙うことで、ボード全体の距離感を掴みます。これが(2)「散らす」練習にあたります。ダブルやトリプルのみを対象とする上級者設定も可能ですが、初心者はまずシングルでOKです。

3. クリケット(CRICKET)

  • ルール: 15, 16, 17, 18, 19, 20, ブルの7つの「クリケットナンバー」 を陣取りするゲームです。対象ナンバーに3本入れる(トリプルなら1本、ダブル+シングルなら2本)と、自分の陣地(オープン)になります。全ての陣地をオープンし、かつ相手より得点が高い状態にすると勝利です。(より詳しいルールは、DARTSLIVE公式サイトのクリケットルール解説などが参考になります)
  • 練習目的: 「特定のエリアに狙い分ける」練習です。これが(3)「戦略的に狙う」練習。また、対戦形式で「狙うプレッシャー」に慣れるための実戦練習としても最適です。初心者はまず「クリケットカウントアップ」(クリケットナンバーだけを順番に狙うカウントアップ) モードで練習するのもおすすめです。

(実戦で勝ちたい、戦術を知りたいという方は、ダーツクリケットのコツ|初心者でも勝てる戦略と練習法の記事も合わせて読んでみてください)

初心者の練習ステップ
まずは「カウントアップ」でひたすらブルに「集める」練習をします。フォームが安定してきたら、「ラウンド・ザ・クロック」でボード全体に「散らす」練習。そして「クリケット」で戦略的に「狙い分ける」練習。この順番が王道ですね。

楽しみながら上達する

地球儀とダーツのイラスト。「楽しい」を原動力にするための目標設定や仲間との交流についての図

ダーツはメンタルスポーツなので、「楽しむ」ことがモチベーション維持に不可欠です。

  • 目標の細分化: 「プロになる」みたいな大きな目標より、「今週中にカウントアップで400点を出す」「ラウンド・ザ・クロックを20分でクリアする」 など、小さな成功体験を積むことが大事です。
  • 練習の記録(スタッツ管理): ダーツライブやフェニックスの公式アプリを使うと、自分の成績(レーティング)が自動で記録・分析されます。自分の「現在地」や「成長」が可視化されると、モチベーションが上がりますね。
  • 仲間と楽しむ: ダーツバー(H1-2参照)で対戦したり、ハウストーナメント(店舗内大会)や小規模なリーグ戦に参加してみる のも刺激になります。
  • オンライン対戦: 自宅のダーツボード(連動型)やネットカフェから、世界中のプレイヤーとオンライン対戦するのも、緊張感のある練習になりますね。

ダーツの操作方法と正確な投げ方のコツ

ダーツを投げる腕の動き(テイクバック、リリース、フォロースルー)を描いたフォーム解説イラスト

H2で解説した「基本技術(スローイング)」を、もう少し深掘りしますね。これは、私がスランプの時に意識し直していたポイントです。

テイクバックで「引く場所」はどこが正しいか?

結論から言うと、「人による」 のですが、基準となる考え方はあります。それは、

  1. 毎回同じ場所に引ける(再現性がある)場所
  2. セットアップ(構え)で狙ったラインからズレない(=真っ直ぐ引ける)場所
  3. 窮屈すぎず、力がスムーズに出せる場所

です。顔の横、アゴ、肩の前など、自分が一番しっくりくる場所を探してみてください。

リリースで「指が離れる瞬間」に意識すべきこと

タイミングは、腕がテイクバックの頂点から伸びていき、ダーツが「腕の延長線上を通る瞬間」です。

意識としては、力を入れず「滑らせるように」 動かし、無理に「投げる」のではなく、ダーツが「自然に離れる」感覚 です。「滑らかに送り出すイメージ」 を持つと、手首が早く返りすぎて(いわゆる「手首で投げる」状態)軌道がズレるのを防げます。

フォロースルーがなぜ重要なのか

ダーツが手から離れたら終わり、ではありません。フォロースルーは「矢を押し出す動作の延長」 であり、スローイングという一連の「線」を完結させるために不可欠です。

  • 軌道の安定: リリースで動作を止めず、腕の流れを最後まで続けることで、ダーツが安定して飛びます。
  • ズレの修正: 腕をターゲットに真っ直ぐ伸ばすことで、リリースの瞬間のわずかなズレ(軌道)を修正し、ダーツを狙った方向に飛ばす役割もあります。

的確な狙い方の技術

ダーツを構える手と目線のライン。「狙った点に線を届ける」イメージと、下に外れる原因の対策

エイミング(狙い方)の具体的な方法論です。

  • ラインで狙う: ターゲット(例:ブル)と自分を結ぶ「線」をイメージし、その線上にダーツを(テイクバックからフォロースルーまで)乗せていく感覚です。
  • 点で狙う: ターゲット(例:ブル)の「一点」を凝視し、そこに向かって腕を伸ばします。

どちらも、投げた後もフォロースルーが終わるまでターゲットから目線を外さないことが共通のコツですね。

【よくある悩み】狙ったところより下に行く
これ、初心者の「あるある」ですね。主な原因は3つ考えられます。

  1. 原因1(タイミング): リリースのタイミングが「遅い」。腕が下がり始めてからダーツが離れています。
    • 対策: 意識的に、いつもより「早め」にリリースしてみます(腕の延長線上を通る瞬間 を意識します)。
  2. 原因2(フォーム): 肘が固定されておらず、投げる瞬間に肘が落ちている。またはテイクバックが深すぎる。
    • 対策: 肘を固定する(H1-1参照)意識を徹底します。テイクバックを浅くしてみるのも手です。
  3. 原因3(道具): フライト(H2-2参照)の浮力が強すぎる(例: スタンダード形状)か、ダーツが重すぎる。
    • 対策: フライトを小さいもの(例: スリム形状)に変更し、直線的に飛ぶか試します。

ダーツプロの練習方法から学ぶ秘訣とは

プロの思考法を表す脳のイラスト。無意識レベルのフォーム定着とセルフプレッシャーの重要性

「ダーツ練習方法 プロ」などで検索すると、プロの驚異的な練習メニューが出てきますよね。例えば「ブル100本連続」 とか、「クリケットナンバーのトリプル・ダブル・シングルを意図的に狙い分ける練習」、「残り61点を3本で上がるアレンジ練習」 とか…。

初心者がいきなりこれを真似はできませんが、プロが共通して語る「メンタルの重要性」は学ぶべき点です。

「練習では入るのに、試合では入らない」 のは、プレッシャー下でいつものフォーム(再現性)が崩れるからです。プロは、メンタル(プレッシャー)がフォームに介入する隙をなくすため、フォーム(H1-1参照)を「無意識」レベルで実行できるまで反復練習します。

私たちが真似できるのは、「練習にプレッシャーをかける」こと。「ブルを10回連続で外したら最初からやり直し」 とか、「カウントアップで400点超えるまで終わらない」といった「セルフプレッシャー」をかけることで、「試合で実力を出す」ための練習に近づけることができますね。

初心者のためのダーツ練習方法のまとめポイント

ダーツ初心者が今日から始めるべき3つの重要ポイント(マイダーツ、フォーム、カウントアップ)のまとめ

さて、長くなりましたが、初心者のためのダーツ練習方法について、基本から応用までを網羅的に解説してきました。

情報量が多かったので、最後に「今日から実行すべき最も重要な3つのこと」にまとめます。

ブルくまが選ぶ!初心者ダーツ練習方法の最重要ポイント3選

  1. 「マイダーツ」を持つこと
    ハウスダーツでの練習は、上達(=再現性の獲得)を妨げる最大の要因です。まずは「タングステン」の「トルピード」形状のバレル(H2-1参照) から始めましょう。これが上達へのパスポートです。
  2. 「肘の固定」と「フォロースルー」を意識すること
    ダーツは力(りきみ)ではなく、フォームの「再現性」 で飛ばすスポーツです。「肘を支点」にし、投げ終わりはターゲットに「腕を伸ばし切る」(H1-1参照)。この滑らかな動作を体に染み込ませましょう。
  3. 「カウントアップ」でブルを狙う練習を最優先にすること
    初心者はまず、ボードの中心に「集める」技術(H3-1参照) を習得することが最優先です。これができて初めて、クリケットなどの他のゲームも上達していきます。まずは「400点」 を目指して、ブルを狙う練習を繰り返しましょう。

ダーツは、年齢や性別に関係なく、自分のペースでどこまでも上達できる奥深いスポーツです。この記事が、あなたのダーツライフの第一歩を後押しできれば、私にとってこんなに嬉しいことはありません。

楽しんで、投げていきましょう!