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ダーツのブル(真ん中)完全ガイド!名前・点数・距離・コツを解説

2025年7月24日

こんにちは。初心者のためのダーツ練習方法、運営者の「ブルくま」です。ダーツを始めたばかりの時って、「ダーツの真ん中の名前って何だろう?」とか「あそこに入ると何点なの?」と疑問に思ったことはありませんか?

私も始めたばかりの頃は、ただ漠然と「真ん中を狙えばいいんだ!」と思って投げていましたが、実はルールによって点数が変わったり、呼び方が違ったりすることを知って驚いた経験があります。

この中心部分は一般的に「ブル」と呼ばれますが、初心者の方にとっては点数のルールや、ダブルブルとの違いが少し複雑に感じるかもしれませんね。友達とダーツバーに行って「今のダブルだから50点だよ!」なんて言われても、「えっ? 全部50点じゃないの?」と戸惑ってしまうこともあるかなと思います。

また、「自宅にボードを置きたいけど、ブルまでの距離や高さは何センチ?」といった設置に関する疑問や、「どうしても真ん中に当たらない! 何かコツはないの?」という切実な悩みも本当によく耳にします。せっかく練習するなら、正しい知識と効率的な方法で上手くなりたいですよね。

この記事では、そんな皆さんの疑問を一つひとつ丁寧に解消し、ダーツがもっと楽しくなる情報をお届けします。読み終わる頃には、ブルについての知識はプロ顔負けになっているはずですよ。

記事のポイント

  1. ダーツの中心「ブル(真ん中)」の名称や由来が分かる
  2. ボードの設置に必要な「正確な高さ」や「距離」の知識が得られる
  3. 初心者でも明日から使える「ブルに入れるための具体的なコツ」を学べる
  4. スコアアップに直結する「効果的な練習方法」や「上級者の基準」を知れる

目次

ダーツの真ん中の名前とは?基本を分かりやすく解説

ダーツボードの中心部分、つまり真ん中の円を指す最も一般的な名称は「ブル(BULL)」です。ダーツにおいてブルは単なる的の中心というだけでなく、ゲームの戦略的な核となる場所です。

多くのスポーツにおいて「中心を射抜く」ことは最高の成果とされますが、ダーツにおけるブルの意味は、プレイするゲームの種類によって劇的に変化します。単なる得点源であることもあれば、陣取りゲームの要所になることもあります。まさにダーツという競技の「心臓部」と言っても過言ではありません。

まずは、ブルに関する正しい用語の意味や、なぜその名前がついたのかという歴史、そしてゲームによって変わる点数のルールを深掘りしていきましょう。これを知っているだけで、ダーツ仲間との会話も弾むようになりますよ。

ダーツの真ん中の正式名称と「ブル」の由来

普段私たちが当たり前のように呼んでいる「ブル」ですが、実はこれ、正式名称である「ブルズアイ(Bull's eye)」の略称なんです。これを日本語に直訳すると「雄牛(Bull)の目(Eye)」という意味になります。ちょっと野性的でかっこいい響きですよね。

なぜ「牛の目」と呼ばれるようになったのか

この言葉の由来には諸説あるのですが、最も有力で面白いとされているのが、19世紀頃のイギリスにルーツを持つ説です。当時、弓矢や射撃の訓練を行う際、標的としてなんと「雄牛の頭蓋骨」を使用していたと言われているんです。

想像してみてください。大きな牛の頭蓋骨が的にされている様子を。その中で、眼球が収まっていた「目の穴(Eye socket)」の部分は、頭蓋骨全体の中でも特に小さく、射抜くのが難しい場所ですよね。

そこに見事に命中させることは、射手としての最高の名誉だったわけです。そこから、標的のど真ん中、最も狙うべき急所のことを「ブルズアイ(牛の目)」と呼ぶようになったとされています。

また、英語圏では「Hit the bull's eye」という慣用句が日常会話でも使われています。これはダーツに限らず、「図星を指す」とか「正鵠を射る(物事の核心を正確につく)」という意味でも使われます。「君の指摘はまさにブルズアイだね!」なんて使われ方をするわけです。

ダーツにおけるブルは、物理的な中心であるだけでなく、「物事の核心」を象徴する場所なんですね。

日本での呼び方と定着

日本では、わざわざ「ブルズアイに入った!」と言う人は少なくて、「ブルに入った!」「ナイブル!(ナイスブルの略)」と言うのが一般的です。初心者のうちは「真ん中」と呼んでしまっても全然通じますが、少し慣れてきたらぜひ「ブル」と呼んでみてください。それだけで、「お、この人ちょっとダーツ知ってるな」という雰囲気が出ますよ。

豆知識:コークの由来

ダーツの試合前、先攻後攻を決めるために互いに1本ずつ中心を狙う儀式のことを「コーク(Cork)」と呼ぶことがあります。これは、かつてワイン樽やビール樽の底を的にして遊んでいた際、中心にあった木の栓(コルク)を狙っていたことに由来すると言われています。

「コルク」が訛って「コーク」になったわけですね。牛の目だったり、樽の栓だったり、ダーツの歴史を紐解くと、当時の人々の生活の中に遊びが生まれていたことが分かって面白いですね。

ブルは2種類!インナーブルとアウターブルの違い

「ブル」と一言で言っても、実は2つのエリアに分かれていることにお気づきでしょうか? ボードの中心をよく見てみると、中心の小さな円と、その外側を囲むドーナツ状の円による二重構造になっています。

これらは単なるデザインではなく、それぞれ明確に異なる名称と役割を持っています。ルールによっては点数が倍も変わってくるので、ここを理解しておくことは脱初心者への第一歩かなと思います。

インナーブル(Inner Bull)

ブルの最も中心にある、一番小さな円のことです。多くのダーツボードでは黒色で塗られています。この部分は別名「ダブルブル」とも呼ばれます。なぜ「ダブル」なのかというと、ハードダーツのルールに基づいています。

ハードダーツでは、このインナーブルが50点、外側のアウターブルが25点と設定されています。「25点のダブル(2倍)」だから「ダブルブル」なんですね。プロの試合実況などで「ここはダブルに入れてフィニッシュしたい!」と言っている時は、この極小のインナーブルを狙っていることを意味します。

アウターブル(Outer Bull)

インナーブルを取り囲んでいる、外側の円のことです。多くのボードでは赤色で塗られています。こちらは別名「シングルブル」と呼ばれます。ハードダーツでは25点ですが、私たちが普段ゲームセンターやダーツバーで遊ぶ「ソフトダーツ」の多くのゲームでは、インナーブルと同じ50点として扱われます。

この違いが、初心者の方を少し混乱させるポイントかもしれません。

エリア名称 別名 色(一般的) 特徴・役割
インナーブル ダブルブル
ブルズアイ
中心の最小円。
ハードダーツでは50点。
ソフトでも50点。
アウターブル シングルブル 外側の円。
ハードダーツでは25点。
ソフトではルールによる(多くは50点)。

「インナー」と「アウター」という言葉を覚えておけば、上手なプレイヤー同士の会話(「あー、今のはアウターか〜」など)もスムーズに理解できるようになりますよ。まずは「真ん中は2重構造になっているんだ」ということだけ覚えておけばOKです。

ファットブルとセパレートブルのルールの違い

さて、ここが一番の重要ポイントです。「結局、真ん中は50点なの? 25点なの?」という疑問を解決しましょう。

ダーツには大きく分けて「ファットブル」と「セパレートブル(スプリットブル)」という2つの点数計算ルールが存在します。自分が今プレイしようとしているゲームやマシンが、どちらのルール設定になっているかを知ることは、勝敗を分けるめちゃくちゃ重要な要素です。

ファットブル(Fat Bull):初心者の味方!

日本のソフトダーツ(電子ダーツ)シーンで最も一般的なのが、この「ファットブル」ルールです。このルールでは、インナーブル(内側)もアウターブル(外側)も、区別なく「合わせて50点」として計算されます。

「Fat(太った、広い)」という名前の通り、50点として反応するエリアが広くなるわけですね。これなら、中心の小さな黒丸を外してしまっても、その周りの赤丸に入れば同じ50点がもらえるので、初心者の方でも高得点を出しやすくなります。

「カウントアップ」という高得点を競うゲームや、一般的な「01(ゼロワン)」ゲームでは、基本的にこのルールが採用されています。まずはこの設定で、「ブルに入る喜び」をたくさん味わうのが上達の近道かなと思います。

セパレートブル(Separate Bull):上級者の戦場

一方で、インナーブル(50点)とアウターブル(25点)を厳格に「分ける(Separate)」ルールです。「スプリットブル」とも呼ばれます。こちらは、ハードダーツの公式戦や、ソフトダーツでもプロのトーナメント、そして「クリケット」という陣取りゲームで採用されます。

このルールになると、途端に難易度が跳ね上がります。50点を取りたいなら、あの小指の爪ほどの大きさしかないインナーブルを狙わなければならないからです。アウターブルだと25点になってしまうので、場合によっては20のトリプル(60点)を狙った方が効率が良い、なんていう戦略的な判断も必要になってきます。

「今日は友達とワイワイ楽しむからファットブルで!」「今度の大会に向けて厳しく練習したいからセパレートブル設定で!」といったように、目的に応じて使い分けるのが賢い楽しみ方ですね。

ダーツのブルの高さ・距離・サイズの規定

「家でコソ練(こっそり練習)したいからダーツボードを買いました!」という方、素晴らしいですね! でも、いざ設置しようとすると「あれ? どの高さに掛ければいいの?」「投げる位置はどこ?」と迷ってしまうことが多いはずです。

お店で投げるのと同じ感覚で練習するためには、ミリ単位での正確な設置が不可欠です。数センチずれているだけで、本番での距離感が狂ってしまう原因にもなります。ここでは、正しい設置のために知っておくべき数値的なデータを詳しく解説します。

正確な位置を知るためのブルの高さと距離

まず、ダーツボードの中心(ブルの中心点)までの高さですが、これは床から173cmと世界共通で定められています。「なんでそんな中途半端な数字なの?」と思いますよね。これは、ダーツ発祥の地であるイギリス人の成人男性の平均的な目の高さが基準になったと言われています。

つまり、当時のイギリス人にとっては「ちょうど目線の高さ」だったわけですね。次に、スローライン(投げる位置)までの距離ですが、ここは要注意です! 実は、ソフトダーツとハードダーツで距離が微妙に異なります。

スローラインまでの水平距離

  • ソフトダーツ:ボードの表面から244cm
  • ハードダーツ:ボードの表面から237cm

この「7cm」の差、数字で見ると小さく感じますが、実際に投げてみると結構感覚が違います。普段ソフトダーツを投げている人がハードダーツを投げると「近っ!」と感じたり、逆にハードの選手がソフトを投げると「遠いな…」と感じて調子を崩したりすることもあるんです。

また、設置の際によくある失敗が、「ボードの厚みを計算に入れずに壁から測ってしまう」ことです。距離は壁からではなく、「ボードの表面(ブルの真下)」から測る必要があります。

プロもやっている!「斜め」で測る正確な設置法

さらに言うと、家の床って意外と水平じゃなかったりしますし、ボードから垂直にメジャーを伸ばすのも難しいですよね。そこで、より正確に設置するための裏技として「斜めの距離」を測る方法がおすすめです。

ピタゴラスの定理(三平方の定理)を使うと、ブルの中心からスローラインまでの斜めの距離を算出できます。

  • ソフトダーツの場合:約299cm(正確には298.98...cm)
  • ハードダーツの場合:約293cm

メジャーの「0」をブルの真ん中に押し当てて(画鋲などで固定すると楽です)、そこから斜めにビヨーンとスローラインまで伸ばし、299cmの位置にラインを引く。これなら、床の歪みや壁からの距離に関係なく、「的と自分との絶対的な距離」を正確に測ることができます。

これは公式大会の設営やプロ選手も実践しているテクニックなので、ぜひ試してみてください。(出典:公益社団法人 日本ダーツ協会『ダーツのルールとマナー』

ダーツボードのブルの大きさとサイズ

ブルって、遠くから見るとめちゃくちゃ小さく見えますよね。「あんなの本当に入るの?」と不安になるレベルです。実際のサイズはどのくらいなのでしょうか?世界基準であるハードダーツ(ブリッスルボード)の場合、サイズは以下のように厳密に規定されています。

  • インナーブルの直径:12.7mm
  • アウターブルの直径:31.8mm

12.7mmというのは、大人の小指の爪の幅くらいの大きさしかありません。プロ選手たちは、237cmも離れた場所から、この小指の爪サイズの的を狙って、しかも3本連続で入れたりするわけです。改めて数字で見ると、とんでもない精度ですよね。

一方、ソフトダーツの場合、一般的な15.5インチのボードでは、ブルのサイズも全体的に大きく作られています。メーカーによって多少の差異はありますが、インナーブルで約15mm〜20mm程度、アウターブルで約35mm〜40mm程度と、ハードダーツより一回り大きく設計されています。

「なんだ、ソフトダーツの方が簡単なのか」と思われるかもしれませんが、これはチップ(矢の先端)がプラスチックで太いため、物理的に刺さるスペースを確保するためでもあります。また、この「入りやすさ」こそが、ソフトダーツが初心者にも親しみやすく、爽快感を味わえる理由の一つでもありますね。

ブルに3回連続で入った時の「ハットトリック」

ダーツプレイヤーにとって、一つの大きな目標であり、達成した瞬間に脳汁が出るほどのアドレナリンを感じるのが、1ラウンド(3投)すべてをブルに入れることです。これを「ハットトリック(Hat Trickと呼びます。

ファットブルルール(全50点)の場合、50点×3本で、合計150点が入ることになります。カウントアップでこれを出すと、一気にスコアが伸びて本当に気持ちいいんです! ダーツバーのマシンだと、派手な映像と「ハットトリック!!」という音声で祝福してくれて、周りのお客さんからも「ナイスハット!」と声を掛けてもらえるのが通例です。

ハットトリックの語源

ちなみに「ハットトリック」という言葉、サッカーでも1人の選手が3点取るとそう言いますが、もともとは「クリケット(球技の方)」というイギリスのスポーツが由来だと言われています。

昔、クリケットで3人の打者を連続でアウトにするという偉業を成し遂げた投手に対して、その功績を称えて高級な「帽子(Hat)」が贈られたそうです。そこから、3回連続で何かを成し遂げることをハットトリックと呼ぶようになったんですね。

さらなる高み:スリー・イン・ザ・ブラック

もし、3本すべてが中心の黒い部分「インナーブル(ブラック)」に入った場合はどうなるでしょうか?これはハットトリックの上位互換で、「スリー・イン・ザ・ブラック」や「フェニックスアイ」などと呼ばれます。

ハットトリックよりもさらに難易度が高い、まさに神業レベルのアワードです。これを出した日には、もうお祝いにお酒を飲むしかないですね(笑)。

ダーツのブルに入れるコツと練習法や上級者基準

基礎知識がしっかり頭に入ったら、次はいよいよ実践編です。「知識はついたけど、肝心のダーツがブルに入らないんじゃ意味がない!」という声が聞こえてきそうです。

実際、「狙っているのになかなかブルに入らない」「日によって調子が全然違って安定しない」といった悩みは、初心者の方だけでなく、ある程度投げ込んでいる中級者の方でも抱える共通の壁です。私自身も、「昨日はあんなに入ったのに、今日は一本も入らない…」と落ち込んだ日が数え切れないほどあります。

ここからは、私が長年の経験で学んだ、体を無理なく使ってブルに当てるための具体的なコツや、ただ投げるだけでなく効率的に上達するための練習メニュー、そして目指すべき数値目標について詳しく解説していきます。感覚だけでなく、論理的に技術を理解することで、上達のスピードは格段に上がりますよ。

初心者でも実践できるブルに入れるコツ

ブルに入れるために最も大切なことは何だと思いますか? 腕力? 視力? 才能?答えは「再現性のあるフォーム」を作ることです。ダーツは物理法則に従って飛ぶので、毎回全く同じ動きができれば、ダーツは必ず同じ場所に飛びます。

初心者の方にまず意識してほしいのは、複雑な理論ではなく、以下のシンプルな3つのポイントです。

1. スタンス(足の位置)を完全に固定する

意外と見落としがちなのが足元です。スローラインに立つ位置が毎回数センチずれているだけで、ブルへの角度や距離感は大きく変わってしまいます。

「スローラインのこのドットを踏む」「靴のつま先をラインの端に合わせる」といった自分なりの基準を決め、毎回必ず同じ位置、同じ角度で足を置く癖をつけましょう。足元という土台が安定して初めて、その上にある上半身もブレずに固定されます。

2. 「点」ではなく「線」で狙うイメージ

ブルという小さな「点」を狙いすぎると、どうしても「ここに入れなきゃ!」と体が緊張して動きが硬くなりがちです。

そこでおすすめなのが、自分の目とブルを結んだ「ライン(線)」をイメージし、そのライン(レール)の上にダーツを乗せてあげる感覚で腕を振ることです。紙飛行機をふわっと飛ばすようなイメージで、脱力したスローイングを意識してみてください。力まない方が、ダーツは素直に真っ直ぐ飛んでくれます。

3. フォロースルーをブルに向かって伸ばす

ダーツを投げ放った後、あなたの腕(手先)はどこを向いていますか? 投げ終わった手が、しっかりとブルの方向に向かって伸びているか確認しましょう。
手が下を向いていたり、横に流れていたりすると、ダーツもその方向に引っ張られて逸れてしまいます。

「投げ終わりの形(フォロースルー)」を意識して、ビシッとブルを指差すように残心をとるだけで、命中率は驚くほど変わります。「ダーツは手から離れたら操作できない」と思いがちですが、離した後の形を意識することで、離す瞬間の精度が上がるんです。

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「フォームは意識しているのに、なぜか狙った場所に飛ばない…」という場合、目線とターゲットの間に物理的なズレ(視差)が生じている可能性があります。以下の記事では、「狙い方の微調整」や「利き目ごとの視線の作り方」など、狙い通りに飛ばすための技術をさらに深掘りしています。
ダーツが狙ったところに行かない!原因特定と修正法を徹底解説

どうしてもブルに入らない原因と改善策

「言われた通りのコツを意識しているはずなのに、全然入らない…」というスランプに陥ることはよくあります。そんな時、多くのケースで原因となっているのが「肘(ひじ)の動き」「力み」です。この2つの悪癖を直すだけで、劇的に改善することがあります。

原因1:肘が動いてしまっている

ダーツを投げる際、肘は「固定された支点」であるべきです。投石器をイメージしてください。支点がグラグラしていたら、石はどこに飛んでいくか分かりませんよね。

しかし、テイクバック(腕を引く動作)の最中に肘が跳ね上がったり、リリースの瞬間に肘が下がったりすると、発射台が動いているのと同じ状態になり、ダーツの高さが安定しません。

改善策: 鏡の前に立って(ダーツを持たずに)素振りをし、自分の肘の位置が動いていないかチェックしましょう。スマホで自分の投げている動画を横から撮ってもらうのも非常に効果的です。「うわっ、自分こんなに肘が動いてたの!?」と驚くことが多いですよ。

原因2:狙いすぎによる「力み」

「入れなきゃ!」という精神的なプレッシャーは、筋肉を硬直させます。特に指先に力が入ると、ダーツを離すタイミング(リリースポイント)が遅れ、指に引っかかってダーツが下に叩きつけられるように飛んでしまいます。

改善策: 一度ブルを狙うのをやめて、ボード全体に向かって気持ちよく腕を振る練習に切り替えましょう。「どこに入ってもいいから、綺麗な放物線を描く」ことだけを意識すると、自然と力が抜け、結果的にブルに集まりだすことが多いです。これを「エリア狙い」と言ったりしますが、まずは大きく狙うことで調子を取り戻せることがあります。

命中率をアップさせる効果的なブル練習法

ただ漫然と何時間も投げ続けるよりも、目的を持った短時間の練習の方が効果的です。「今日はこれをやる!」と決めて、ブル率を上げるために特化した、おすすめの練習メニューを紹介します。

1. グルーピング重視のカウントアップ

定番ゲームの「カウントアップ」を使いますが、点数は一切無視してください。目的は「3本をいかに近くに集めるか(グルーピング)」です。例えば、1本目がブルから外れて20のトリプル付近に刺さったとします。次は無理にブルを狙い直すのではなく、あえて「さっき刺さった1本目の矢」を狙って投げてください。

3本が狭い範囲に集まれば、たとえブルに入っていなくても、それは「同じ投げ方ができている証拠」です。まずは集める力を養い、その集まる場所を徐々にブルにずらしていくのが上達の王道です。集まらないのに狙う場所だけ変えても、それは運任せになってしまいますからね。

2. イーグルスアイ(Eagle's Eye)

これは多くのダーツマシンに搭載されている練習用ゲームです。ルールは極めてシンプルで、「ブルに入れば得点、それ以外は0点」というものです。

「外れたら0点」という適度なプレッシャーの中で投げることで、本番に強いメンタルと集中力が養われます。ゲーム感覚で楽しみながらできるので、練習の締めにやるのもおすすめです。まずはこのゲームで、コンスタントに300点〜400点(6〜8本命中)を出せるようになることを目標にしてみましょう。

3. A1ドリル(簡易版)

上級者向けの練習法を少しアレンジしたものです。「20→19→18...」と順番に狙っていきますが、各ナンバーをクリアする条件を「シングルに入ればOK」ではなく、「そのナンバーのトリプル幅の中に通すイメージで投げる」と厳しく設定します。そして、最後に必ずブルを狙います。

ターゲットを小さく限定して狙う練習を繰り返すことで、ブルのような狭いエリアに対する恐怖心が薄れ、自信を持って腕を振れるようになります。「トリプルの幅を通せたんだから、ブルなんて広く見える!」と思えるようになったらこっちのものです。

上級者の基準となる平均的なブル率

最後に、自分が今どのくらいのレベルにいるのか、そしてどこを目指せばいいのかの指標をお伝えします。ダーツには「フライト(階級)」というレベル分けがありますが、それぞれのレベルで求められるブル率(スタッツ)の目安は以下の通りです。

レベル(フライト) ブル率の目安 感覚的なイメージ
Cフライト(初級) 10% 〜 15% まぐれで入ることが多い。3ラウンドに1本入れば「よしっ!」という感じ。
Bフライト(中級) 20% 〜 30% 狙って入る感覚が掴めてくる。1ラウンドに1本絡むことが増える。
Aフライト(上級) 35% 〜 50% 安定して入る。ハットトリックも頻繁に出るようになる。
SA〜プロレベル 60% 〜 80% 外すことの方が珍しい。3本中2本以上が当たり前の世界。

これを見ると、Aフライトになるには「3本に1本以上」は確実にブルに入れる技術が必要だと分かります。「3本投げたら絶対に1本はブルに入る」という自信がついた時、あなたはもう立派な上級者の仲間入りです。

しかし、焦る必要はありません。最初は誰でもCフライトから始まります。昨日の自分よりも1本でも多くブルに入れば、それは確実な成長です。数字にとらわれすぎず、成長過程を楽しむ余裕を持って練習に取り組んでくださいね。

ダーツのブル攻略のポイントまとめ

今回は、ダーツの象徴である「ブル(真ん中)」について、基礎知識からルール、そして実践的な攻略法までを網羅的に解説してきました。かなりの長文になりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます!

最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。

  • ブルには「インナー(50点)」と「アウター(25点or50点)」がある。
  • ソフトダーツでは基本的に「ファットブル(全部50点)」で楽しめばOK。
  • 設置距離はソフトなら244cm。正確な環境作りが上達の第一歩。
  • コツは「スタンス固定」と「ラインで狙う脱力スロー」。
  • 練習では点数よりも「グルーピング(集弾性)」を意識する。

ブルの真ん中に吸い込まれるようなスローが決まった時の快感は、言葉では言い表せないものがあります。その1本が出るたびに、ダーツはもっと楽しく、もっと奥深いものになっていくはずです。

この記事が、皆さんの「初ハットトリック」や「Aフライト昇格」のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。これからも一緒に、楽しみながら練習を続けていきましょう!

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